先週、シルクロードのマッドI氏が喜びのあまりFBにフライング発表してしまったジムニーJB23のビッグローター。M部長からは「極秘商品だから極力表に出すな!」と厳重注意されていましたので、写真は控えていたのですが…
いや、気持ちは良く分かります。現物をワタシも見ましたが、よく出来ている!
(amazonで買ったのがバレる!(笑))
純正と比べて一回り大きくなっています。直径で1インチ(25.4mm)大きいのです。
キャリパーはジムニー純正をそのまま使えますから、価格はかなり抑えられます。
当社は元々ジムニーとは縁遠い業界と思い込んでいました。けれど、ドリフトショップやドレスアップショップなどにも入庫率は高く、ショップ社長なども好んで乗っているヒトが意外に多い。またドリフトなどの競技をやっていたヒトが、遊び車として面白いとはまることも多かったのです。
ワタシの営業先でも、ジムニーが本業ではないけれど、ジムニーを手がけているお店がたくさんあります。
JAWS山本さんは2種類のジムニーを提案しています。
キャナスさんは以前から競技、ストリートどちらも提案されています。
キノクニエンタープライズさんのYELLOW BULLETジムニーにいたっては海外の方も関わっての新たな提案。
ということで、ジムニー商品の開発を色々と始めました。
まずはラテラルロッド。耐久性重視の太い実践志向、しかもコストは抑えてあります。
また、車高を自由に調整したり、オフロードではなく、オンロードも楽しめる足廻りや直巻スプリング調整キットも開発中です。
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/footwork_lateral
ある日、営業先のショップでこんな質問をされました。
「ジムニーのブレーキどうにか出来ないかな? 効きが悪い… ホイルサイズ上げたり、ヒッチメンバーで牽引してたりすると、効きが悪い… ブレーキパッド入れてもダメなんだよね。」
ブレーキパッドの効果がいまひとつとなると、選択肢はアフターのキャリパーキットを入れることになりますが、それだと10万じゃ無理。作業も大掛かりになり、20万も見えてきます。
ビッグローターキット作ればいいじゃん、ってかあるでしょ、ジムニー用?
当社でもシルビア、AE86用を長年販売していますし、業界でもポピュラーな手法です。
ビッグローターキットの特徴は、ブレーキローターサイズを大きくすることで、制動力を格段に上げることができるうえ、キャリパーは純正そのままなので、コストが抑えられます。当社ではローター込みで3万円台。
どんなに有名なブランド商品だろうが、効果の無いものにはめっぽう厳しい3UPの三上さんにも、推奨品として取り扱いいただいているほどの名品。「ドリフトがへたくそなやつも、これだけでかなりうまくなります」といってもらいました。
よっしゃー、すぐにつくっちゃえ~と思っていたら、どっこい、実際にジムニーの足廻りをばらしてわかりました。
「今まで通りでは純正キャリパーが流用出来ない…」
今までの簡単ステーでは無理だと判明… だからジムニー用のビッグローターキットが販売されて無いわけだ。当社としても一旦は開発を断念しました。
でも、ジムニーでラリー競技をやっているお店からもこんな情報がありました。
「ビッグローターなんとかしてくれないか。制動力を上げるためにアフターのキャリパーキットを組むと、純正16インチサイズではなく、17インチホイルを装着しないといけない。けれど、17インチだとパワーがくわれて遅くなってしまう。とはいえ、もちろん純正ブレーキのままでは制動力が低すぎる。」
コレを聞いた私の商売魂に火がつきました。「商いは飽きない」。性能上、必要とする場面が必ずある商品で、どこも販売していない、それはチャーンス! とはいえ、車のことは全然知らない営業マンの私、出来ることは、マッドI氏とM部長に「なんとかして」を連発することだけ… しつこく「なんとかして」を連発し続けた結果…
奇抜な発想の持ち主マッドI氏、そして40年以上前からラリー、ダートトライアルの競技に携わってきたM部長が方法を発見したのです。「この方法なら作れるゾ」(N●Kプロフェッショナルのスガシカオ♪♪~)
まだお見せすることはできませんが、純正キャリパーを大きくなったローターに合わせて装着するアダプターの構造が肝でした。普通に作ればトンでもない価格になるものです。これらを現実的な価格で製造する方法を考え出してもらい、2017年12月滑り込みセーフで最終テスト品が上がってきました。
値段はなんとか3万円台を狙っています。また、制動力を数字で表示したり、テスト結果を報告する手段も検討中です。車検については陸運局で打ち合わせし、従来どおり指定部品としての扱いでOKを頂きました。準備は万全!
これからテストに入り、来年早々には量産品の手配に入ります。販売スタートは3月までにという計画です。
17年以上も販売され続け、台数やパーツが豊富にあるジムニー。当社も、また違った視点からのジムニーパーツ開発に入ります。